積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
EP-25
夜食には、おにぎりとお味噌汁、レンコンのきんぴらを簡単に用意した。それを諒はパクパクと美味しそうに平らげていった。
「ご馳走さま。うまかった」
「そう言ってもらえて良かった。食後のお茶、何が飲みたい?コーヒー?緑茶もあるけど」
「水、もらえる?」
私は冷蔵庫に冷やしてあった水をペットボトルからグラスに注いで、諒の前に置いた。
「ありがとう」
諒は水を一口飲むと、思い出したように言った。
「ところで相談って何?」
「実は……」
疲れているのに申し訳ないと思いながら、私は取っておいた例の文書を諒の前に広げた。
それを目にするなり、諒の眉間に深いしわが寄った。
「何だ、これ」
「数日前からうちの郵便受けに入るようになったの。エントランスの所の」
「数日前から?」
「うん、毎日。全部で五枚ある。最初の二日は、住所も何も書かれていない状態で白い封筒の中に入っていたの。三日目からは封筒にも入っていなくて、ただこうして紙だけが毎日入るようになって。で、今日で五日目」
「五日……。その間、何か変わったことはあったのか?」
「最初にこれを見つけた日の夜、非通知の無言電話があったよ。いつもならそんな電話には出ないんだけど、この紙を見て動揺してたんだろうね。うっかり出ちゃって。でもすぐに切れたわ。その後は特には……」
諒はますます眉間のしわを深くした。
「これ……」
「もしかして、心当たりとかある?」
「心当たりと言うか……」
諒はそこでいったん言葉を切り、ふうっと息を吐き出してから続けた。
「数日前の帰り、また例の彼女に待ち伏せされて、今度は告白されたんだ。もちろん丁寧に断った。そしたら、あっさりと引き下がってくれたんだ。だからまさかとは思うけど、タイミング的に疑わしいと言えば疑わしいというか……」
「ご馳走さま。うまかった」
「そう言ってもらえて良かった。食後のお茶、何が飲みたい?コーヒー?緑茶もあるけど」
「水、もらえる?」
私は冷蔵庫に冷やしてあった水をペットボトルからグラスに注いで、諒の前に置いた。
「ありがとう」
諒は水を一口飲むと、思い出したように言った。
「ところで相談って何?」
「実は……」
疲れているのに申し訳ないと思いながら、私は取っておいた例の文書を諒の前に広げた。
それを目にするなり、諒の眉間に深いしわが寄った。
「何だ、これ」
「数日前からうちの郵便受けに入るようになったの。エントランスの所の」
「数日前から?」
「うん、毎日。全部で五枚ある。最初の二日は、住所も何も書かれていない状態で白い封筒の中に入っていたの。三日目からは封筒にも入っていなくて、ただこうして紙だけが毎日入るようになって。で、今日で五日目」
「五日……。その間、何か変わったことはあったのか?」
「最初にこれを見つけた日の夜、非通知の無言電話があったよ。いつもならそんな電話には出ないんだけど、この紙を見て動揺してたんだろうね。うっかり出ちゃって。でもすぐに切れたわ。その後は特には……」
諒はますます眉間のしわを深くした。
「これ……」
「もしかして、心当たりとかある?」
「心当たりと言うか……」
諒はそこでいったん言葉を切り、ふうっと息を吐き出してから続けた。
「数日前の帰り、また例の彼女に待ち伏せされて、今度は告白されたんだ。もちろん丁寧に断った。そしたら、あっさりと引き下がってくれたんだ。だからまさかとは思うけど、タイミング的に疑わしいと言えば疑わしいというか……」