積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
EP-27
帰り道、ハンドルを握りながら諒がため息とともに言った。
「知っている間柄だから、かな。変に緊張したな」
「ほんとね。でも、みんなに私たちのことを認めてもらえて良かった」
「あぁ。俺さ、最初におじさんがものすごく丁寧に話し始めた時、すごい圧を感じたんだよ。これはもしかして反対される流れなのかな、って」
「でも、諒ちゃん、全然動じてなかったよね。私、あんなふうに言ってくれて嬉しかったよ。圧と言えば……。おばさんたら、いつお嫁さんになってくれるの、って何回も聞くんだもん。歓迎されてるのは分かったけど、急かされてるみたいで変な汗が出たよ」
「うちの親たち、舞い上がってたよな。ごめんな。俺としては、もうしばらく恋人時代を過ごしたいから、母さんには少しだけ待っててもらわないとな」
私はくすりと笑った。
「そうね」
「ところで、前から言っていた通り、向こうに戻ったら婚約指輪を見に行ってもいい?」
「もちろんだよ」
「その後さ、実は今日、ホテルを予約してるんだ。そこのレストランも」
「えっ?ホテル?レストラン?」
私は目を瞬かせながら、諒の横顔を見た。
「特別な日くらいは、いつもと違う特別な時間、瑞月と過ごしたいと思ったんだ。嫌だった?」
「嫌じゃないし嬉しいけど、ちょっとびっくりしちゃった」
「サプライズすぎたかな。指輪を見た後一度部屋に戻って、泊まる準備をしてから行こう。服は……。俺はこのままでいいかな。瑞月はどうする?ドレスアップする?」
私は苦笑した。
「ドレスアップって……。私、そんな洋服は持っていないから」
「栞の披露宴の時に着てた服は?あれ、すごく似合ってた」
「そう?でも、私もこのままでいいかな。カーディガンの代わりに違うの羽織れば、フォーマルっぽくなるし」
「なんなら買って、プレゼントするよ」
「いらないよ。だって、フォーマルな服なんて、そんなに着る機会はないと思うもの」
「なんだ、つまらないな。俺が選んだ服、脱がせてみたかったんだけど」
「もうっ……。何を言うかと思ったら」
呆れたようにため息をつく私に諒は笑った。
「あはは。さてと、まずは指輪な」
諒は笑顔のまま目的の店に向かってハンドルを切った。
「知っている間柄だから、かな。変に緊張したな」
「ほんとね。でも、みんなに私たちのことを認めてもらえて良かった」
「あぁ。俺さ、最初におじさんがものすごく丁寧に話し始めた時、すごい圧を感じたんだよ。これはもしかして反対される流れなのかな、って」
「でも、諒ちゃん、全然動じてなかったよね。私、あんなふうに言ってくれて嬉しかったよ。圧と言えば……。おばさんたら、いつお嫁さんになってくれるの、って何回も聞くんだもん。歓迎されてるのは分かったけど、急かされてるみたいで変な汗が出たよ」
「うちの親たち、舞い上がってたよな。ごめんな。俺としては、もうしばらく恋人時代を過ごしたいから、母さんには少しだけ待っててもらわないとな」
私はくすりと笑った。
「そうね」
「ところで、前から言っていた通り、向こうに戻ったら婚約指輪を見に行ってもいい?」
「もちろんだよ」
「その後さ、実は今日、ホテルを予約してるんだ。そこのレストランも」
「えっ?ホテル?レストラン?」
私は目を瞬かせながら、諒の横顔を見た。
「特別な日くらいは、いつもと違う特別な時間、瑞月と過ごしたいと思ったんだ。嫌だった?」
「嫌じゃないし嬉しいけど、ちょっとびっくりしちゃった」
「サプライズすぎたかな。指輪を見た後一度部屋に戻って、泊まる準備をしてから行こう。服は……。俺はこのままでいいかな。瑞月はどうする?ドレスアップする?」
私は苦笑した。
「ドレスアップって……。私、そんな洋服は持っていないから」
「栞の披露宴の時に着てた服は?あれ、すごく似合ってた」
「そう?でも、私もこのままでいいかな。カーディガンの代わりに違うの羽織れば、フォーマルっぽくなるし」
「なんなら買って、プレゼントするよ」
「いらないよ。だって、フォーマルな服なんて、そんなに着る機会はないと思うもの」
「なんだ、つまらないな。俺が選んだ服、脱がせてみたかったんだけど」
「もうっ……。何を言うかと思ったら」
呆れたようにため息をつく私に諒は笑った。
「あはは。さてと、まずは指輪な」
諒は笑顔のまま目的の店に向かってハンドルを切った。