積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
「相談?」
「瑞月って料理が上手でしょ。ほんとに時々でいいから、私たちに晩ご飯作ってくれたりしないかぁ、なんて……。図々しいお願いだってことは、もちろん分かってるんだよ。だからね、バイト代の代わりと言ったらなんだけど、材料は全部うちで買う。お兄ちゃんは料理しないし、したとしても、いかにも男の料理で大雑把すぎるし、瑞月も知っての通り私も下手でしょ?お恥ずかしい話、あたしたちの食卓事情、実はかなり切迫してるんだよね。毎日パンとお惣菜、お弁当ってわけにはいかないし、美味しくない料理ばっかりじゃ、味覚だって変になっちゃう。だめかなぁ……?」
そう言って、栞は上目遣いで私の表情を伺い見た。彼女の両手は、拝むかの如く胸の前で合わされている。
「それは別に構わないけど……」
一つの疑問が浮かび、私は首を捻る。
「それじゃあ、諒ちゃんは、今まで一人でどうしてたの?」
「学食とかお弁当、たまの男飯、あとは凛ちゃんとご飯一緒にしたりして、なんとかしてたみたい」
「凛ちゃんね。なるほど」
私は栞の答えに納得する。
「これからも、たまに凛ちゃんにお願いするのは難しいの?栞と凜ちゃんだって、知らない仲じゃないし」
別に嫌だと思ってそう言ったわけではない。本当は行きたい気持ちが強かったが、凛がいるのなら私の出る幕はさそうだと思ったのだ。
すると栞は微笑んだ。
「実は凛ちゃんね、最近いい人ができみたいなの。だから、遠慮した方がいいのかな、ってね」
栞も凜の恋愛事情は知っている。
「そうなんだ、全然知らなかった。凜ちゃん、私にも教えてくれたらいいのに……」
「瑞月って料理が上手でしょ。ほんとに時々でいいから、私たちに晩ご飯作ってくれたりしないかぁ、なんて……。図々しいお願いだってことは、もちろん分かってるんだよ。だからね、バイト代の代わりと言ったらなんだけど、材料は全部うちで買う。お兄ちゃんは料理しないし、したとしても、いかにも男の料理で大雑把すぎるし、瑞月も知っての通り私も下手でしょ?お恥ずかしい話、あたしたちの食卓事情、実はかなり切迫してるんだよね。毎日パンとお惣菜、お弁当ってわけにはいかないし、美味しくない料理ばっかりじゃ、味覚だって変になっちゃう。だめかなぁ……?」
そう言って、栞は上目遣いで私の表情を伺い見た。彼女の両手は、拝むかの如く胸の前で合わされている。
「それは別に構わないけど……」
一つの疑問が浮かび、私は首を捻る。
「それじゃあ、諒ちゃんは、今まで一人でどうしてたの?」
「学食とかお弁当、たまの男飯、あとは凛ちゃんとご飯一緒にしたりして、なんとかしてたみたい」
「凛ちゃんね。なるほど」
私は栞の答えに納得する。
「これからも、たまに凛ちゃんにお願いするのは難しいの?栞と凜ちゃんだって、知らない仲じゃないし」
別に嫌だと思ってそう言ったわけではない。本当は行きたい気持ちが強かったが、凛がいるのなら私の出る幕はさそうだと思ったのだ。
すると栞は微笑んだ。
「実は凛ちゃんね、最近いい人ができみたいなの。だから、遠慮した方がいいのかな、ってね」
栞も凜の恋愛事情は知っている。
「そうなんだ、全然知らなかった。凜ちゃん、私にも教えてくれたらいいのに……」