積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
諒EP-2
妹の栞も大学への入学が決まった。そこは俺が通う大学と同じ街にあったから、俺たちは兄妹で一緒に住むことになった。
本当は別々の部屋を借りてほしい所だったが、両親曰く「家賃がもったいない」。しかし、それが建前であって、本心では栞を心配していることは分かっていた。
その大学には瑞月も通うことが決まっていた。大学受験を目指して、高校時代、とりわけ二年生になってからはますます力を入れて勉強を頑張っていた様子は、たまの帰省で会った時などに話を聞いて知っていた。その努力が実を結んだことをメッセージで知らせてきた時は、色んな意味で本当に嬉しかった。それを読み終えた後、直接顔を合わせていなくて良かったと思った。なぜなら、俺は人には見せられないくらいに笑み崩れていたはずだったから。
大学生になってからの俺は、実家に帰るのは年に数回ほどだった。例えばゴールデンウィーク、盆や正月といったまとまった休みの時に帰るくらいで、瑞月と会うのもその時だった。もっとゆっくり会って話をしたいと思っても、帰省すればしたで地元の友達が待ち構えていたりして、瑞月とそういう時間を持つのはなかなか難しかった。
だから、瑞月がこの街に越してくる日を、俺は指折り数えて待っていた。近くに住むことになれば、以前ほどではないにしても、彼女に会える時間が増えるかもしれないと期待していた。
本当は別々の部屋を借りてほしい所だったが、両親曰く「家賃がもったいない」。しかし、それが建前であって、本心では栞を心配していることは分かっていた。
その大学には瑞月も通うことが決まっていた。大学受験を目指して、高校時代、とりわけ二年生になってからはますます力を入れて勉強を頑張っていた様子は、たまの帰省で会った時などに話を聞いて知っていた。その努力が実を結んだことをメッセージで知らせてきた時は、色んな意味で本当に嬉しかった。それを読み終えた後、直接顔を合わせていなくて良かったと思った。なぜなら、俺は人には見せられないくらいに笑み崩れていたはずだったから。
大学生になってからの俺は、実家に帰るのは年に数回ほどだった。例えばゴールデンウィーク、盆や正月といったまとまった休みの時に帰るくらいで、瑞月と会うのもその時だった。もっとゆっくり会って話をしたいと思っても、帰省すればしたで地元の友達が待ち構えていたりして、瑞月とそういう時間を持つのはなかなか難しかった。
だから、瑞月がこの街に越してくる日を、俺は指折り数えて待っていた。近くに住むことになれば、以前ほどではないにしても、彼女に会える時間が増えるかもしれないと期待していた。