積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
合コンの誘いを受けた日の夜、栞が私の部屋に泊まりに来た。諒はと聞くと、部屋に一人でいるという。
「諒ちゃんの晩ご飯は?」
「適当に買って来てたみたい」
「ちょっとかわいそうだったんじゃない?」
「いいのよ。たまにはお兄ちゃん抜きで、瑞月と過ごしたいもん。いつもお兄ちゃんと一緒にいたんじゃ、あたしも疲れちゃうんだから。きっと、あっちもそう思ってるよ。それにほら、今日は瑞月に料理を教えてもらうっていう目的もあるから」
「そうだったね」
私はにっこりすると、レタスをちぎる手を止めて栞の手元を見た。
先日のカレーから派生して、今夜は肉じゃがを作ることにした。これならば、料理は苦手と公言する栞でも拒否反応なく取りかかれると思ったのだ。味付けは初心者用に、市販のつゆを使う。
栞は思ったよりも上手に野菜を切っている。たぶん面倒くさがっているだけで、本当は上手にできるのだと思う。だって、昔好きな人にチョコをあげたいと頑張っていた栞は、とっても丁寧に作業していたのだから。
時折私に質問しながら、栞は料理を進めて行った。
こうして出来上がった夕食を美味しく食べて寛いでいると、栞が口を開いた。
「瑞月、今度の週末は来られるの?」
「それがね、実は……」
私は口ごもり、ぼそぼそと答える。
「ゼミの子に誘われて、合コンに行くことになったの」
栞が目を見開いた。
「えっ、合コン?瑞月が?大丈夫?」
「諒ちゃんの晩ご飯は?」
「適当に買って来てたみたい」
「ちょっとかわいそうだったんじゃない?」
「いいのよ。たまにはお兄ちゃん抜きで、瑞月と過ごしたいもん。いつもお兄ちゃんと一緒にいたんじゃ、あたしも疲れちゃうんだから。きっと、あっちもそう思ってるよ。それにほら、今日は瑞月に料理を教えてもらうっていう目的もあるから」
「そうだったね」
私はにっこりすると、レタスをちぎる手を止めて栞の手元を見た。
先日のカレーから派生して、今夜は肉じゃがを作ることにした。これならば、料理は苦手と公言する栞でも拒否反応なく取りかかれると思ったのだ。味付けは初心者用に、市販のつゆを使う。
栞は思ったよりも上手に野菜を切っている。たぶん面倒くさがっているだけで、本当は上手にできるのだと思う。だって、昔好きな人にチョコをあげたいと頑張っていた栞は、とっても丁寧に作業していたのだから。
時折私に質問しながら、栞は料理を進めて行った。
こうして出来上がった夕食を美味しく食べて寛いでいると、栞が口を開いた。
「瑞月、今度の週末は来られるの?」
「それがね、実は……」
私は口ごもり、ぼそぼそと答える。
「ゼミの子に誘われて、合コンに行くことになったの」
栞が目を見開いた。
「えっ、合コン?瑞月が?大丈夫?」