【1/4~加筆修正】積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
私はゼミ友達にお金を渡す。
「うん、大丈夫だよ。今日は来てくれてありがとね」
「私の方こそ、ありがとう。それじゃ、また学校で」
最後にもう一度みんなに挨拶してから、私は急いで店を出た。
車種とかナンバー、聞き忘れてた――。
そう思いながら周りを見渡して、目の前の通り沿いに停まる一台の車に気がついた。
あの車?
近づこうかどうしようか迷っていたら、車の助手席側の窓が開いて諒が顔をのぞかせた。
「瑞月」
私はその車に近づき、開いた窓から車の中をのぞきこんだ。
「諒ちゃん、わざわざありがとう。でも、どうして?」
「心配だからに決まってるだろ。まずは乗りなよ」
「うん」
私は素直に助手席に乗り込んで、シートベルトをかけた。
それを確かめてから、諒が私に何かを差し出した。
「ほら、水」
「あ、ありがとう」
わざわざ準備してくれたのかと驚きつつ、私はペットボルトを受け取った。
諒が静かに車を発進させる。
諒ちゃんの車、初めて乗るな……。
物珍しげにきょろきょろと車の中を眺めながら、私は水を口に含んだ。
諒がハンドルを握ったまま私に訊ねる。
「酒、飲んだのか」
「よく分かったね。でも一杯だけ。グレープフルーツサワーっていうのを飲んだよ」
「大丈夫か。気持ち悪くない?」
「うん。この前実家で、みんなで飲んだでしょ?今日で二回目だし。ちょっとだけふわふわしてるけど」
「そうか」
赤信号で車を止めた時、諒がぼそっと言った。
「で、いい奴はいたか?」
「ん〜、特には……」
「うん、大丈夫だよ。今日は来てくれてありがとね」
「私の方こそ、ありがとう。それじゃ、また学校で」
最後にもう一度みんなに挨拶してから、私は急いで店を出た。
車種とかナンバー、聞き忘れてた――。
そう思いながら周りを見渡して、目の前の通り沿いに停まる一台の車に気がついた。
あの車?
近づこうかどうしようか迷っていたら、車の助手席側の窓が開いて諒が顔をのぞかせた。
「瑞月」
私はその車に近づき、開いた窓から車の中をのぞきこんだ。
「諒ちゃん、わざわざありがとう。でも、どうして?」
「心配だからに決まってるだろ。まずは乗りなよ」
「うん」
私は素直に助手席に乗り込んで、シートベルトをかけた。
それを確かめてから、諒が私に何かを差し出した。
「ほら、水」
「あ、ありがとう」
わざわざ準備してくれたのかと驚きつつ、私はペットボルトを受け取った。
諒が静かに車を発進させる。
諒ちゃんの車、初めて乗るな……。
物珍しげにきょろきょろと車の中を眺めながら、私は水を口に含んだ。
諒がハンドルを握ったまま私に訊ねる。
「酒、飲んだのか」
「よく分かったね。でも一杯だけ。グレープフルーツサワーっていうのを飲んだよ」
「大丈夫か。気持ち悪くない?」
「うん。この前実家で、みんなで飲んだでしょ?今日で二回目だし。ちょっとだけふわふわしてるけど」
「そうか」
赤信号で車を止めた時、諒がぼそっと言った。
「で、いい奴はいたか?」
「ん〜、特には……」