積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
何度断られても諦めない、そのバイタリティというか執念というか強引さは、ある意味感心してしまう。でも、やりすぎだ。どのようにして諒のことを聞き回っていたのか、それを想像するのはとても怖い。

「本当に相手のことが好きだというなら、そういうことはやめ方がいいと思いますけど」

「でも好きだからこそ、少しでもどんなことでも、彼のことを知りたいと思うのよね」

「だからって、そんな……。自分の知らない所で自分のことを、あれこれ聞き回られるなんて、嫌だと思わないんですか?」

「だからそれは、彼のことを知りたいからよ」

「でも、彼はあなたのことを好きじゃない、迷惑だと思っているのでしょう?だったらもう諦めて、他の人を探した方がいいと思いますよ。その方がずっと前向きです」

「なによっ。知ったようなこと言わないで!」

「それに、待ち伏せだとか押しかけだとか、こういうのって、今まで以上に嫌われる原因になるんじゃないですか?健気だなんて思う人はいませんよ。だってこんなの、ただのストーカーでしょ?怖いだけですもの」

「なっ……」

彼女の表情が険しくなったのを見て、私ははっとした。

しまった……。

言い過ぎたとは思ったけれど苛立ちが収まらず、私の口は止まらない。
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