不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
プロローグ
「瑞希、ちゃんと覚えてるだろうな?」
低い声で問いかけられる。
ベッドのうえで、Tシャツしか身に着けていない私は、黒瀬さんに顎を掴まれ覗き込まれていた。
黒い前髪が落ちかかり、色気のある視線が私の胸を貫く。
(どうして黒瀬さんとベッドに……?)
寝起きの私はなんのことだかわからず、きょとんとする。
そんな私の唇を親指でゆっくり辿って、彼は淫靡に笑った。
「襲ってもいいんだろ?」
息がかかる距離でささやかれて、かぁっと頬が熱を持つ。
そういえば、寝る前にそんなことを言っちゃったかも……。
まだ眠りの残るぼんやりとした頭で考える。
「ちゃんと言ったことに責任とれよ」
私が覚えているのがわかったようで、ニヤッとした彼は私に口づけた。
唇を押しつけられて、口の周りにチクチクと無精髭が当たる。角度を変えてついばまれる。
(待って待って! 私、黒瀬さんとキスしてる!?)
驚きにはっきり目が覚めた。
うろたえる私の唇に彼は吸いついてきて、離れるときにふにっと唇を挟むように食んだ。
それがやけに気持ちよくて――。
(この人とだけはないと思っていたのに、どうしてこんなことになってるの!?)
彼の上手なキスに翻弄されながら、私は心の中で叫んだ。
***
低い声で問いかけられる。
ベッドのうえで、Tシャツしか身に着けていない私は、黒瀬さんに顎を掴まれ覗き込まれていた。
黒い前髪が落ちかかり、色気のある視線が私の胸を貫く。
(どうして黒瀬さんとベッドに……?)
寝起きの私はなんのことだかわからず、きょとんとする。
そんな私の唇を親指でゆっくり辿って、彼は淫靡に笑った。
「襲ってもいいんだろ?」
息がかかる距離でささやかれて、かぁっと頬が熱を持つ。
そういえば、寝る前にそんなことを言っちゃったかも……。
まだ眠りの残るぼんやりとした頭で考える。
「ちゃんと言ったことに責任とれよ」
私が覚えているのがわかったようで、ニヤッとした彼は私に口づけた。
唇を押しつけられて、口の周りにチクチクと無精髭が当たる。角度を変えてついばまれる。
(待って待って! 私、黒瀬さんとキスしてる!?)
驚きにはっきり目が覚めた。
うろたえる私の唇に彼は吸いついてきて、離れるときにふにっと唇を挟むように食んだ。
それがやけに気持ちよくて――。
(この人とだけはないと思っていたのに、どうしてこんなことになってるの!?)
彼の上手なキスに翻弄されながら、私は心の中で叫んだ。
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