笑わない向日葵


何故か電車には乗らないで駅を出る。


遊ぶようなところには電車に乗らないといけないのに。


「どこいくの?」

「今日はお金ないんだー!だからクレープ食べに行こ?」


どういうこと。お金ないのに食べに行くって…無銭飲食?さすが考えは不良だ。


「私、無銭飲食はしないからね」

「え?なに?むせん?ようしょく?」


あ…相手は馬鹿だったんだ。


向日葵はため息をつくと黙った。


少し前を歩く太陽はいつの間にか枝を拾ったようでクルクルと回している。


「変なの拾うの辞めなよ。えっと、新倉くん」

「ヒマちん。太陽でいーよ!新倉なんて呼ばれなれないし!」

「あ…うん」


咄嗟に返事をするとニコッと太陽は笑った。

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