もう2度と会えない貴方へ

【会いたい】

寝静まった夜。

薄暗い明かりの中、LINEのトーク画面を開いてそっと文字を打つ。

でも、送信ボタンを押す事さえ躊躇してしまう。

……いつからだっけ。

こんなにも虚しい気持ちが続いているのは。

貴方がこの家を出て行って、もう帰って来なくなったのは。

貴方に感謝の気持ちを伝えられないまま。

さよならも告げる事もできないまま。

貴方は、私を置いて行ってしまった。

それは、あまりにも突然すぎる出来事だった。

あれから、2ヶ月経つというのに貴方のことを探してしまう。

本当は、どこかにいるんじゃないかって。

元気で暮らしているんじゃないかって。

今は会えないだけで。

いつか、『ただいま』と大好きな声と共に、貴方が家に帰ってくるんじゃないかって淡い期待を抱いている。
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