もう2度と会えない貴方へ
「ママね、海里の為にも、もっと強くなれるように頑張るね」

強い決意を表明した私に、海里は満面の笑みを浮かべた。

貴方にとても似た笑顔で。

「ママは、そのままで大丈夫だよ」

海里の言葉に思わず微笑む。

私が落ち込んでいる時、貴方はいつも側にいてくれて私を励ましてくれたよね。

海里も貴方に似て、とても優しい子だよ。

休日には、幼稚園で仲良くなった友達と公園で楽しく遊んでるよ。

この前、嬉しいことがあって私と貴方の似顔絵を描いて渡してくれたんだよ。

毎日元気に、すくすく成長してるよ。

本当なら、貴方と一緒に海里の成長を側で見守っていきたかった。

でも、それはもう叶うことできないけれど、いつかまた貴方に逢える時が来たら、その時は海里との思い出をたくさん教えるね。

それまで、仕事と家事と育児とても大変だけど、私、頑張るから。

「ねぇ、ママ。今日、一緒に寝てもいい?」

「うん。いいよ。一緒に寝よっか」

「やったー!」

喜ぶ海里を見てはほっこりする。

海里の小さな手を繋いで寝室へと向かう。

ねぇ、貴方。

私、貴方から貰った優しさを今度は息子に返すから。

たくさん愛情を注ぐから。

海里を守ってみせるから。

どうか、貴方はこの空の上で見守っていてね。
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