告白

社員旅行

社員旅行

工場の入り口で、キィーという車の急ブレーキの音が響き渡った。美咲早苗の登場である。みんなは、バスの中でひとり遅れていた、早苗を待っていた。「早苗嬢の到着です」拓也は、工場長の嬢を付けた言葉に、笑いを吹きだそうとした。「嬢なんて、ソープランドに女でもいるのかね」バスは、15分遅れで発車した。拓也は、缶ビールを開けた。突然・高校の修学旅行を思い出した。拓也は、バスに酔いつぶれて、散々な目にあった高校の思い出であった。‪一時‬間程経ち、トイレ休憩という時に、拓也は気分が悪くなった。バスの停車と共に急いでトイレに駆け込んだ。次の予定は、昼飯をいただいてから、大人の秘宝館の見学である。入り口から入ると、映画を上映していた。拓也が、中へ入ろうとした時に早苗達・女性陣とぶつかった。拓也と早苗の目が合った。その先の映画では四十八手が上映されていた。拓也は、照れくさそうに中へ入らず去って行った。どうも、美咲さんと目が合うといかん、背が小さいせいか、見上げる眼にドキッとするのであった。ここを後にして、土産物屋に立ち寄り、 ‪6時‬までは自由行動となった。拓也は、部屋で・アダルトビデオを鑑賞していた。宴会になると、副社長とやらも来ていた、会話をする事はなかったが、なんか、立派に写った拓也であった。抽選で、バスタオルが当たった拓也は、隣に座っていた早苗に、「これ・プレゼント」と言って渡した。「ありがとう」言葉を交わすことはなかった。‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬
宴会が終わり、各自・自由行動となり、拓也達七人は、夜の別府の繁華街ではなく、パチンコ屋に出向いた。
藤森さんが、わずか‪一時‬間で五万の大勝ちである。七人は、藤森さんの一声で‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬
「寿司だよ・トロを食べに行くか」
みんなは、賛成して寿司屋のノレンをくぐった。七人は、トロという寿司を深く味わいながら、しみじみ幸せな気持ちで口にした。おまけに、フグ刺を食べたのだが、みんな贅沢に、味はイマイチだな。拓也達一向は幸せそうな笑顔で、ファミレスで、コーヒーでもいただこうかとなった。受付にいると、向こうから早苗達女性陣がやってきた。「えっ・トロ・いただいたの」
早苗はびっくりした顔で叫んだ。
「これから、私達も連れて行って」
すると、藤森さんが
「拓也、おまえも少し稼いだろ、おごってやれよ」
拓也も、二万位勝っていたのだが、愛想のない声で、
「もう、寝ますよ」
すると、早苗が
「じゃ、カラオケに行かない」
拓也は
「俺は行かないよ」
みんなは、とりあえず、コーヒーでもいただくかとなった。拓也の隣に早苗が座ってきた。藤森さんが
「おいっ拓也、どうしたんだ」
拓也の額から汗が、ドクドクと流れ落ちてきた。拓也は、なにか知らないが、汗が流れ落ちる。そこへ、早苗が、ハンカチを差し出した。早苗から、恋のオーロラが出ていたのだろうか。拓也は、この時は想像する事も出来なかった。恋の予感であったのだろうか。

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