告白

ラブレター


好きか嫌いかどっちかだと思います。もし、好きなんだったら、絶対この先、俺の人生成功すると思います。だって、早苗さん。落とす事に成功したから。男と女って、付き合うまでが、一番たいへんなんじゃないかなあ。俺、早苗さんを好きになった事で、いっぱい勉強になったよ。もっと、人生を生き抜く為に、勉強したいけども、この先は、俺、経験したことないから。もう、頭の中に早苗さんの面影が、焼き付いてしまったよ。今日は、こんな事書いてるけども、昨日はなかなか寝付けなかったよ。早苗さんの事。いろいろ考えていて、涙がいっぱい出てきたよ。もう、俺、早苗さんじゃないとイヤだよ。早苗さん、御免なさい。埼玉へ来て、何度も会社やめようかと思ったけども、なんとかがんばっています。別に、やましい気持ちはないし、ただ、知り合ってから、俺、早苗さんの顔見ると、疲れがどっと取れるような感じで、気持ちを手紙にぶつけてしまいました。きっと、いっぱい早苗さんに、思いを告げたのは、失いたくなかったからだと思います。不器用な表現だったけども、ひょっとしてと思って、赤い糸をたぐったんだよ。でももう、生きる力が湧いてきました。知り合ってから。5年に及ぶ間、とても充実した会社生活を、送る事が出来ました。ありがとうございました。りんごの話ししたのが、最後の会話だったね。サラリーマンで、会社勤めしている以上は、向上心を持って仕事をして行きます。自分の人生は、自分で切り開いていかないといけないので、この会社で、あと20年無難にやっていくのではなくて、毎日をせいいっぱい生きていきます。とにかく、思いついたら、即行動する事によって、人生は思うようになると信じています。いつの日か、もう一度、早苗さんの顔が見たい。ずっと、元気でいて下さい。

ラブレター
敬具

拓也は、抑えられない彼女への衝動を必死に我慢していた。このままでは、病気になってしまう。とにかく、ストレス発散。その、影では、普通通りの人間関係を営んでいた。すべて、自分の心と葛藤している。そんな、矢先に、NHKの・のど自慢がやってくるらしい。拓也は、応募した。選曲は、‪郷ひろみ‬の・素敵にコンプレックス。‬‬‬拓也の脳みそが爆発したのだろうか、予選出場のハガキが届いた。2週間後の日曜日、そして、この日は、彼女の誕生日である。拓也は、とにかく返事の来ない手紙を、出した。ステージで、「今でも・好きだと・わめくつもりなのか」‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬
しかし、予選までで、本出場には選ばれなかった。ついでに、愛を歌った、音楽CDを買ってきて、彼女宛に送った。それから、一ヵ月後、拓也は、これが最後だと手紙を送った。そして、2週間後に、受け取り拒否で返ってきたのだ。拓也は、これで、もう、彼女を追いかけるのはやめる。手紙もやめる。あれから、2年が過ぎたな。
拓也の、目から、大粒の涙がこぼれてきた。そして、けじめをつけようと、便箋を買ってきた。拓也は、届かない、ラブレターを書いた。
「ラブレター」
早苗さんへ、又、君の家のポストの中に投げ込んでしまいました。君から見れば、銀河の彼方よりも遠い果てに僕は存在するのかもしれない。だけども、僕にとっては、君の唇に届きそうな存在なんだ。僕は君の家から1500キロも離れた所で生活しています。君の事を忘れようと思って、転勤を志願してしまったけども、大事な物を田舎に忘れてしまった気がします。たった、10秒だけ携帯のボタンを押す勇気があれば、君の声が聞けるかもしれない。でもダメなんだ。僕にはそんな勇気がないや。もう、君の事が好きで好きでしょうがないんだ。
どうして、こんなに君の事が好きになってしまったのだろうか。遠い遠い昔に結ばれていたのかもしれない。この会社にこなければよかった。君にも出逢う事は永遠になかったかもしれない。僕の頭の中には、君の一番魅力的な瞳が、脳裏に焼き付いていて、離れないんだよ。
俺、君にこんなに手紙書くのは、もしかしたら、俺の言葉を待ってるのかなあなんて、思ってしまうからなんだ。俺、君の事はあまり知らないけども、俺、君のかわいい、しぐさに惚れてしまったんだなあ。君の魅力を書いたら、分厚い辞書にも収まらないや。もし、神様が存在するならば、なんで君に出逢ったのかなあ。人生最大のあやまちをする為かなあ。やっぱり、永遠に会社の同僚だったらよかったね。こんなに、君の事で苦しむなんて、俺にはメールで「君の事が好きです」と伝える事がせいいっぱいなんだ。でも君に出逢った事で俺、転職ばかりしてたのに、7年もがんばる事ができたから、やっぱり君と出逢ってよかったんだね。満足、満足。こんなに一緒に暮らしたい女性に出逢ったのは、はじめてかもしれないや。もしも、もう一度逢うことがあったら、知らん振りしていようね。大好きな早苗さんへ。これで、悔いは残らない、近くのポストに投げ込んだ。
 拓也は、抑えられない彼女への衝動を必死に我慢していた。
このままでは、病気になってしまう。
拓也は、彼女に思い切って電話した。
しかし、留守電であった。
とっさに、クリスマスの日に、北九州は小倉のホームで待ち合わせの
伝言をした。
拓也の血管が波を打ってくる。
冷静に、この2年間を思い返した。
こんなに、悩む必要があったのだろうか????
失恋なんて、ものは、星の数ほどあるのが、世の中である。
たかが、女性ひとりに、こんなに、溺れるなんて。
拓也は、上司に強引に有休をお願いした。
やがて、正月の連休なのに、一週間前から休みをとった。
新幹線の中、はたして、来てくれるだろうか。
思いあぐねたが、これで、拓也の恋も白紙にもどしたかった。
また、新しい恋に挑戦だ。
新幹線は、小倉の駅のホームにはいりかかった。
窓から、ホームを見渡すがそれらしき女性は見当たらない。
拓也は、2年間の出来事を走馬灯のように頭をめぐらせた。
やっぱり、こなかったか。
改札口」までやってきた。
なんか、拓也は、自分を自分に大声で笑った。
「拓ちゃん」
なんか、空耳か、はたまた幻聴か、拓也を呼ぶ声が聞こえた。
そこには、早苗がたっていた。
「拓ちゃん、どうしたの、あんなに、手紙を書いて」
「一言、電話すればいいのに」
「知らない仲じゃないじゃない」
「あたし、いつ、電話するかと待っていたのに」
拓也は、その場に、座り込んだ。
俺は、何を悩んでいたのだろうか。
「焼肉・食べに行きますか」
「そうね」
思えば、焼肉から始まった、拓也の恋であった。

ここまで・読んでくれてありがとうございました。


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