お七~天涯の少女~
「和尚さまが夜、寝所に入られるときに、その夜のお相手をする役目じゃ!」

「・・・!!!」

お百合の焦ったような言葉に、お美代は思わず息を呑んだ。

「・・・それは、ああ・・・何と、恐ろしや・・・」

「恐ろしがっておる場合ではない。間違ってもお七さまがそのような者に巻き込まれぬよう、わたくしどもがお守りせねば!」

「は、はい!」

見知らぬ人が見れば、一見挙動不審な二人ではあったが、主人の危機に瀕している二人には全く関係ないことだった。


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