秘めたるイケボは恋の予感?!
私のとなり?!?!
他に隣になりたい子が沢山いたはずなのに,よりにもよって壁側。
唯一の隣が私で申し訳なくなる。
「お。隣女の子じゃん。よろしくー」
「よ,よろしく」
「結城なずって聞いて分かった~?」
「あ,ううん……ごめんね,アニメはあんまり詳しくなくて」
「そうなんだー。漫画は読む? 俺今『花盛りのキス』」
突如,反対隣でガタンと大きな音がする。
驚いて振り向けば,高知くんが机を運んだ音だった。
って
「隣,高知くん!?!」
思わず大きな声を出してしまう。
教室ではほとんど関わりもないのに。
「ごめん。うっかり」
音を立てた事に対してか,高知くんが私に声をかけた。
私はううんとすかさず首をふる。
「若菜のことでなんかめんどくさいこととかあったら言って。俺がなんとかするから」
「や,そんなことは」
ないと,思うけど。