中古物件
☆☆☆

翌日、朝6時半に目が覚めた太一は食パンをそのままかじって外へ出た。
駅までが遠いので自家用車に乗り込んで出発する。

今日仕事から帰ってきたら一応近所まわりはしておいた方がいいだろう。
といっても隣近所は数件しかないのでそれも気楽なものだった。

こんな人里離れた場所に1人で引っ越してくるなんて者好きだと思われるかもしれないが、家には寝に帰ってくる程度になりそうだからそんな噂を立てられたとしても気にならなかった。

そして1日の用事を終えて家に戻ってきたとき、太一は違和感を覚えて玄関前で立ち止まった。
手には近所へ渡すために購入した手土産の紙袋が握られている。

太一は怪訝そうな表情でジッと我が家を見つめた。
出るときは確かに消していたリビングの電気がついている。

いや、もしかしたらつけっぱなしにしてでかけてしまっただろうか。
今朝の記憶を呼び起こしてみても、鮮明には思い出すことができなかった。
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