初めまして、新しい一日
(あんなに綺麗な絵を描く人、初めて見た……)
ドキドキと心臓がうるさい。こんな遠くからじゃなくてもっと近くであの絵を見たい。そんな気持ちがムクムクと生まれていく。
すると男子生徒が振り返った。目が合った。ヤバい!逃げないと!
グルリと背を向けて走り出そうとした私だったけど、男子生徒の方が動くのが早かった。素早く美術室のドアが開いて、私のセーラー服の襟首を掴む。
「おい、なに覗き見してんだよ」
「す、すすすすみません!」
声は明らかに苛立っていて、私は謝りながら泣きそうになる。こんな思いをするなら真っ直ぐ帰っていればよかった……。
「お前一年?人のことジロジロ見んなよ。気が散る」
「一年です。本当にすみません」
冷たい言葉が次々に降ってくる。綺麗な絵を描く人から出る言葉とは思えなくて、私の手の指先が春だというのに冷たくなっていった。
「あの、離してもらっていいですか?」
そう恐る恐る訊ねるとやっと離してくれた。私はゆっくりと振り返る。背は平均的だけど彫刻のように整った顔立ちの男の子だ。
ドキドキと心臓がうるさい。こんな遠くからじゃなくてもっと近くであの絵を見たい。そんな気持ちがムクムクと生まれていく。
すると男子生徒が振り返った。目が合った。ヤバい!逃げないと!
グルリと背を向けて走り出そうとした私だったけど、男子生徒の方が動くのが早かった。素早く美術室のドアが開いて、私のセーラー服の襟首を掴む。
「おい、なに覗き見してんだよ」
「す、すすすすみません!」
声は明らかに苛立っていて、私は謝りながら泣きそうになる。こんな思いをするなら真っ直ぐ帰っていればよかった……。
「お前一年?人のことジロジロ見んなよ。気が散る」
「一年です。本当にすみません」
冷たい言葉が次々に降ってくる。綺麗な絵を描く人から出る言葉とは思えなくて、私の手の指先が春だというのに冷たくなっていった。
「あの、離してもらっていいですか?」
そう恐る恐る訊ねるとやっと離してくれた。私はゆっくりと振り返る。背は平均的だけど彫刻のように整った顔立ちの男の子だ。