犬猿☆ラブコンフリクト-山崎優の場合-

次の日──俺は、いつもの変装をせずに学校へ登校した。



「ねぇ、あれ・・・!!」



「あんな人、うちの学校にいた!?超イケメンなんだけど!?」



数少ない女子生徒が、俺に注目しているのが手に取るように分かる。



実際、聞こえてるし。



でも、他の女子なんかのために変装を解いた訳じゃない。



真白ちゃんの気を少しでも引くためなんだけど・・・まぁ、無理だろうな。



そんなことを思いながら、前を歩いていた真白ちゃんの隣に並び立つ。



「真白ちゃん、おはよ」



「おはようございます、先輩」



変装してない俺が視界に入っても、冷静なままあいさつをする真白ちゃん。



やっぱり無反応だよね〜、知ってた。



まぁ、初めて見た時は少し反応してたし・・・2度目なら仕方ないか。



「それにしても、朝から真白ちゃんに会えるなんて嬉しいな。可愛い顔を拝めたし」



「・・・私が可愛いとか、コンタクトの度数合ってないんじゃないですか?眼科をおすすめします」



「そんなことないよ、アレ伊達メガネだし」



「じゃあ、元々の視力が悪いんですね」



正面を向いたまま、照れもしない真白ちゃん。



うーん・・・強敵。



少しは反応してくれてもいいのになぁ。



まぁ、興味ないって断言してるし・・・仕方ないか。



「俺、視力2.0以上だけど?」



「・・・そんなに視力あるのに、なんでメガネなんかかけてたんですか?それに、前髪も。視力悪くなりますよ」



「んー?人避け。俺、割と顔整ってる方だからさ。女の子にキャーキャー言われない為」



これは本音だ。



自分の好きな子以外にモテても仕方ないし・・・。



外見で好きになられても、こっちから願い下げだ。



「じゃあ、なんでそれやめたんですか?」



「んー?気になってる子に振り向いてもらうため・・・かな?」



「そうですか」



「・・・その子は別に他人の容姿に興味ないみたいだから、なんとも思ってないみたいだけどね」



君は、そんなこと気にするような人じゃないもんね。



例え、俺が変装していようがいまいが、その態度を変えることはない。



知ってるからこそ、俺は変装を解いた。



「なんとも思ってないなら、意味ないんじゃないですか?」



「まぁ、そうなんだけどね。初めて見た時に少し驚いたような表情してたから、それをまた見たいなーって思ってね」



「・・・そうですか」



まるで興味がないみたいに返事をする真白ちゃん。



いや、実際興味がないんだろうな。






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