犬猿☆ラブコンフリクト-山崎優の場合-
真白side



お昼休みを3年の山崎先輩と作業をして教室に戻ると、やけにクラスの女子がざわめきたった。



なに?



そう考えているうちに、私の友人である伊達 一花(だて いちか)が私の元に駆け寄ってきた。



「ねぇ、唯!アンタ、3年のイケメンな先輩と委員会室に入ってったよね!?なにしてたの!?みんなその話題で持ちきりだよ!?」



「イケメンな先輩・・・?」



イケメンな先輩・・・あぁ、山崎先輩の事か。



確かに、先輩の素顔を初めて見た時は驚いた。



中学時代に逆ナンされて困ってた人だったから。



まさかその人が山崎先輩だとは思わなかったし。



「委員会が同じで、書類の整理頼まれたんだよ。私、山崎先輩とペアだから」



「はぁ!?あんなイケメンな先輩とペア!?なんて羨ましい!!ずるいわよ唯、私と委員会変わりなさい!!」



そう言って、私の肩を揺さぶり始める一花。



な、なんでそんなに必死な訳?



「いや、さすがに今から変わるのは・・・」



「なに!?唯もあの先輩が気になるっていうの!?」



「そ、そんなんじゃないって・・・!」



さらに肩を揺さぶられながら迫られる。



だからなんでそんなに必死なの〜!!



「あんなイケメンと仕事できるとか幸せすぎじゃん!!」



あぁ・・・やっぱり山崎先輩目当てだったのね・・・。



確かに顔は整ってる方だし、格好良いとは思うけど・・・そこまでかな?



「そ、そういうもん?」



「そういうもんです!!あぁ・・・いいなァ・・・羨ましい・・・私もイケメンと一緒に仕事したーい・・・」



「一花、彼氏いるじゃん」



「それとこれとは別〜!!」



私の肩から手を離し、呟く一花。



そ、そんなに羨ましいかな・・・?



確かに山崎先輩って格好良いけど・・・女の子に軽薄そうじゃん。



知り合って間もない私に会えて嬉しい、とか可愛いとか言ってくるし・・・。



いや、初めて会ったのは中1の時だから時間は経ってるんだけど・・・関わりがあったわけじゃない。



そんな子に対してあんなこと言うくらいだ、他の女の子に対しても言っていそうだ。



・・・だけど、気になる子がいるって言ってたな。



その子の驚いた顔をもう1回見たいからあの格好やめたって言ってたし・・・。



・・・まさかね。






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