こんな恋はダメですか、先輩?
軽く言ってくるいつもと違い、真剣さに目が逸らせない。


私もその可愛い、という言葉だけで真っ赤になってしまい、同時に目を逸らしてしまった。


「ありがとうございますっ……!!」


私の恥ずかしげに発した言葉から、さっきまで少し会話していた空気感が消え、今度こそ一言も発さなくなる。


それでも……先輩にこうやって言われたのは嬉しすぎるよ……!!


わんわん泣きたいけどメイクが崩れちゃうし、気持ちまでバレちゃうから泣けない!!


ラストスパートがかかり始めた花火が勢いを増して、私は自然と口が開いていた。


「先輩、好きだな」


その事に気がついたのは、先輩が振り返ってから。
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