玉響の花霞 あなたにもう一度恋を 弍
トランクに荷物を入れていた所で
声をかけられ、泣きそうな目元を
グッと堪えて振り向いた。
「亮さんこんばんは。お疲れ様です。
お身体大丈夫ですか?」
『ああ、それよりその荷物‥‥‥』
亮さんと買い出しに行った時に
一緒にここに運んだものだからきっと
見られてしまったはず‥
タクシーの運転手さんに、
少しだけ待ってもらえるよう伝えると
亮さんに向き合って頭を下げた
「ごめんなさい‥‥。
筒井さんのそばにいると約束
したのに守れそうにありません。」
『井崎さん‥‥』
「冷蔵庫に沢山食材入ってるので、
何か美味しいものを作って
食べてくださいね。
それじゃあ‥失礼します‥‥」
『えっ?井崎さん!?』
これ以上ここにいるともう
我慢が出来そうになくて、
タクシーに乗り込み車を出してもらう
亮さん‥‥
沢山話を聞いてくれて、筒井さんが
いない間も側で見守ってくれた
お兄ちゃんのような存在だった。
筒井さんと関わらなかったら、
仲良くなれなかった人たちと
離れることにも寂しさを感じ、
膝の上で両手を握りしめ、
家に着くまで涙をずっと堪えていた
ガチャ
重たい荷物を玄関の中に入れると、
靴も脱がずそのままそこに座り込み
ようやく思いっきり泣けた
「ウゥ‥‥」
膝を抱えて声を殺しつつも、
筒井さんに言われた言葉が頭の中で
何度も繰り返され嗚咽が漏れる
離れていてツラかった事よりも、
別れを告げられた事よりも、
何度も助けに来てくれた事や、
そばで寄り添ってくれた優しさが
あり過ぎて苦しくて堪らない‥
こんな日がいつか来るかもしれないと
フランスに行かれる時に覚悟してきた
筈なのに、想像以上にツラかったんだね
筒井さん‥‥‥
筒井さん‥‥‥
生まれて初めて人生でこんなにも
好きになれた人があなたで良かった‥
あんなに素敵な人に無鉄砲に
告白して、まさか大事にしてもらえる
なんてあの時は思わなかったのに、
まるで夢でも見ていたようでした。
だとしたらそれはきっと、
本当に幸せな夢だったんだと思います
良かったじゃない‥‥。
少しの間でも特別になれたのだから‥
泣くのは今日で最後にしたい。
だから今だけはまだ夢から覚めず
思い出に浸りたい
「ウッ‥‥ヒック‥‥」
筒井さん‥ありがとうございました‥
人を愛する気持ちを知ることができて、
幸せでした‥‥
声をかけられ、泣きそうな目元を
グッと堪えて振り向いた。
「亮さんこんばんは。お疲れ様です。
お身体大丈夫ですか?」
『ああ、それよりその荷物‥‥‥』
亮さんと買い出しに行った時に
一緒にここに運んだものだからきっと
見られてしまったはず‥
タクシーの運転手さんに、
少しだけ待ってもらえるよう伝えると
亮さんに向き合って頭を下げた
「ごめんなさい‥‥。
筒井さんのそばにいると約束
したのに守れそうにありません。」
『井崎さん‥‥』
「冷蔵庫に沢山食材入ってるので、
何か美味しいものを作って
食べてくださいね。
それじゃあ‥失礼します‥‥」
『えっ?井崎さん!?』
これ以上ここにいるともう
我慢が出来そうになくて、
タクシーに乗り込み車を出してもらう
亮さん‥‥
沢山話を聞いてくれて、筒井さんが
いない間も側で見守ってくれた
お兄ちゃんのような存在だった。
筒井さんと関わらなかったら、
仲良くなれなかった人たちと
離れることにも寂しさを感じ、
膝の上で両手を握りしめ、
家に着くまで涙をずっと堪えていた
ガチャ
重たい荷物を玄関の中に入れると、
靴も脱がずそのままそこに座り込み
ようやく思いっきり泣けた
「ウゥ‥‥」
膝を抱えて声を殺しつつも、
筒井さんに言われた言葉が頭の中で
何度も繰り返され嗚咽が漏れる
離れていてツラかった事よりも、
別れを告げられた事よりも、
何度も助けに来てくれた事や、
そばで寄り添ってくれた優しさが
あり過ぎて苦しくて堪らない‥
こんな日がいつか来るかもしれないと
フランスに行かれる時に覚悟してきた
筈なのに、想像以上にツラかったんだね
筒井さん‥‥‥
筒井さん‥‥‥
生まれて初めて人生でこんなにも
好きになれた人があなたで良かった‥
あんなに素敵な人に無鉄砲に
告白して、まさか大事にしてもらえる
なんてあの時は思わなかったのに、
まるで夢でも見ていたようでした。
だとしたらそれはきっと、
本当に幸せな夢だったんだと思います
良かったじゃない‥‥。
少しの間でも特別になれたのだから‥
泣くのは今日で最後にしたい。
だから今だけはまだ夢から覚めず
思い出に浸りたい
「ウッ‥‥ヒック‥‥」
筒井さん‥ありがとうございました‥
人を愛する気持ちを知ることができて、
幸せでした‥‥