玉響の花霞 あなたにもう一度恋を 弍
待雪草
12月に入り、朝晩の出勤が一段と
寒く厳しい季節になってきた。
「エントランスも冷えますね‥」
暖房が入っているものの、
開け閉めが多いこの場所は、
外からの冷たい空気を1日に何度も
感じる為、足元にヒーターを置いている
『井崎さん、髪の毛切ったから
余計に首元が冷えるんじゃない?』
「そうなんですよ。ショートって
お手入れはラクなんですけど、
こんなに寒かったんですね。」
制服はあったかいものの、
今まで長かった髪が今になって恋しい
今のところはこのスタイルが
気に入っているからしばらくは伸ばす
予定はないけれど、冬服をちゃんと
考えないといけないな‥‥
心配していた筒井さんもギブスの固定は
取れたのかスーツ姿で出勤されていて、
姿を見ることが出来たので安心したのだ
元気になったかは話してないから
分からないけど、蓮見さんも何も
言ってこないということは
大丈夫だと信じるしかなかった。
1年ってあっという間に終わってゆく‥
あと少しで年末だなんて信じられない。
10年に一度の寒波が今年はやってくる
なんてニュースで見たけど本当に
そうなのかもしれないと思うほど
風さえも一段と冷たく感じてしまう
『霞、お疲れ様。今日も寒いね。』
「お疲れ様、あ、杉浦くんと‥」
『お疲れ様です。企画部3年目の
立田です。』
「あ、お疲れ様です。菖蒲の友達で
受付にいます井崎です。」
杉浦くんと一緒に休憩していた男性に
改めて頭を下げると優しく笑った。
『井崎さんを知らない人はいないよ。
思ってるよりも有名だからさ。』
えっ?
『それじゃ約束あるからお先。
井崎さんまたね。』
「えっ?あ、はい。お疲れ様です。」
黒髪の短髪が良く似合う
立田さんはトレーを持って立ち上がると
私にまた笑顔を向けて行ってしまった
『霞‥‥クリスマスが近いからこれから
狙ってる人がわんさか来るわよ?』
「もうっ、そんな人いないってば。
でもそっか‥‥もうすぐクリスマスが
あったね。」
最近寒くて直帰してたけど、
街中に行ったらイルミネーションが
綺麗だろうな‥‥
足元が寒くて持ってきていた
ショールを膝にかけると、食堂が
少しだけザワツイたので自然と目が
そちらにいってしまった。
遠くからでも分かるくらい、
今日もスーツ姿が似合っていて、
オフとは違い髪の毛も整った筒井さんに
みんな落ち着きがなくなるほどに
見ている。
『帰国して一段と株が上がったって
とこかな‥‥トリリンガルで
あの容姿ときたら仕方ないか。』
寒く厳しい季節になってきた。
「エントランスも冷えますね‥」
暖房が入っているものの、
開け閉めが多いこの場所は、
外からの冷たい空気を1日に何度も
感じる為、足元にヒーターを置いている
『井崎さん、髪の毛切ったから
余計に首元が冷えるんじゃない?』
「そうなんですよ。ショートって
お手入れはラクなんですけど、
こんなに寒かったんですね。」
制服はあったかいものの、
今まで長かった髪が今になって恋しい
今のところはこのスタイルが
気に入っているからしばらくは伸ばす
予定はないけれど、冬服をちゃんと
考えないといけないな‥‥
心配していた筒井さんもギブスの固定は
取れたのかスーツ姿で出勤されていて、
姿を見ることが出来たので安心したのだ
元気になったかは話してないから
分からないけど、蓮見さんも何も
言ってこないということは
大丈夫だと信じるしかなかった。
1年ってあっという間に終わってゆく‥
あと少しで年末だなんて信じられない。
10年に一度の寒波が今年はやってくる
なんてニュースで見たけど本当に
そうなのかもしれないと思うほど
風さえも一段と冷たく感じてしまう
『霞、お疲れ様。今日も寒いね。』
「お疲れ様、あ、杉浦くんと‥」
『お疲れ様です。企画部3年目の
立田です。』
「あ、お疲れ様です。菖蒲の友達で
受付にいます井崎です。」
杉浦くんと一緒に休憩していた男性に
改めて頭を下げると優しく笑った。
『井崎さんを知らない人はいないよ。
思ってるよりも有名だからさ。』
えっ?
『それじゃ約束あるからお先。
井崎さんまたね。』
「えっ?あ、はい。お疲れ様です。」
黒髪の短髪が良く似合う
立田さんはトレーを持って立ち上がると
私にまた笑顔を向けて行ってしまった
『霞‥‥クリスマスが近いからこれから
狙ってる人がわんさか来るわよ?』
「もうっ、そんな人いないってば。
でもそっか‥‥もうすぐクリスマスが
あったね。」
最近寒くて直帰してたけど、
街中に行ったらイルミネーションが
綺麗だろうな‥‥
足元が寒くて持ってきていた
ショールを膝にかけると、食堂が
少しだけザワツイたので自然と目が
そちらにいってしまった。
遠くからでも分かるくらい、
今日もスーツ姿が似合っていて、
オフとは違い髪の毛も整った筒井さんに
みんな落ち着きがなくなるほどに
見ている。
『帰国して一段と株が上がったって
とこかな‥‥トリリンガルで
あの容姿ときたら仕方ないか。』