玉響の花霞 あなたにもう一度恋を 弍
元々筒井さんが社内でモテていたことは
百も承知だったけど、確かに
周りの反応が帰国後は更に加熱されて
いる気がしてしまう
とんでもない人と短い時間とはいえ
向き合って貰えてたと思うと、
凄いことだったんだと感じる
ドクン
あまりにも見過ぎてしまったのか、
目が合ってしまったような気がして
咄嗟に筒井さんから視線を逸らした
腕はもう痛くないのかな‥‥
ギブスはしてなさそうだけど、
無理されてないといいのだけど‥
以前お会いした時よりも顔色も
良さそうだし、それだけで安心した
私は、菖蒲と杉浦君と休憩をした後
エレベーターホールではなく
非常階段にこっそり向かった。
こんな寒い時期に非常階段なんて
使う人なんていないのをいいことに、
寒くて朝起きられない日はランニング
の代わりに階段を使うようにしてるのだ
春や夏は朝も明るくて走りやすいけど、
冬場は真っ暗で防犯的にも少し
心配だからストレッチくらいしか
家では出来ていない
ヒールを脱ぎ鞄から取り出した
トレーニングシューズに履き替え
ていると、重い扉が開く音がして
驚き慌てた
『‥ここで何をしてるんだ?』
ドクン
座って靴を履いたままの姿勢で
声がする方に振り向くと、
やっぱりそこにいたのは筒井さんだった
「お疲れ様です。
筒井さんこそどうしてこちらに?」
上司として接すると約束したから、
前みたいになるべく自然に話しかけると
足元を見られ両手で隠せないけど
靴を隠した
『俺は運動不足だから階段使ってる
けど、まさか一階まで降りるのか?』
「はい、寒いので運動したくて‥」
恥ずかしいから、無視して
早く行って欲しいのに、まさかの
隣に座られてしまい急いで靴紐を結んだ
非常でもない限り、
誰もこないとは思いつつも、
こんなとこ誰かに見られるのは怖い。
それに早く戻って佐藤さんと交代
しないといけない
『フッ‥‥お前ってやつは‥
頑張り過ぎて足痛めるなよ?』
えっ?
頭をクシャリと撫でた手が離れると
筒井さんは立ち上がり階段を下って
行ってしまった。
聞きたいことが沢山あるのに、
今は上司と部下という立場だから
何も聞けない‥‥
これが当たり前で、
今までがやっぱり夢のようで特別
過ぎたんだと思う
軽くストレッチをすると、
爪先で降りるよう意識しながら
階段をゆっくり駆け降りた。
百も承知だったけど、確かに
周りの反応が帰国後は更に加熱されて
いる気がしてしまう
とんでもない人と短い時間とはいえ
向き合って貰えてたと思うと、
凄いことだったんだと感じる
ドクン
あまりにも見過ぎてしまったのか、
目が合ってしまったような気がして
咄嗟に筒井さんから視線を逸らした
腕はもう痛くないのかな‥‥
ギブスはしてなさそうだけど、
無理されてないといいのだけど‥
以前お会いした時よりも顔色も
良さそうだし、それだけで安心した
私は、菖蒲と杉浦君と休憩をした後
エレベーターホールではなく
非常階段にこっそり向かった。
こんな寒い時期に非常階段なんて
使う人なんていないのをいいことに、
寒くて朝起きられない日はランニング
の代わりに階段を使うようにしてるのだ
春や夏は朝も明るくて走りやすいけど、
冬場は真っ暗で防犯的にも少し
心配だからストレッチくらいしか
家では出来ていない
ヒールを脱ぎ鞄から取り出した
トレーニングシューズに履き替え
ていると、重い扉が開く音がして
驚き慌てた
『‥ここで何をしてるんだ?』
ドクン
座って靴を履いたままの姿勢で
声がする方に振り向くと、
やっぱりそこにいたのは筒井さんだった
「お疲れ様です。
筒井さんこそどうしてこちらに?」
上司として接すると約束したから、
前みたいになるべく自然に話しかけると
足元を見られ両手で隠せないけど
靴を隠した
『俺は運動不足だから階段使ってる
けど、まさか一階まで降りるのか?』
「はい、寒いので運動したくて‥」
恥ずかしいから、無視して
早く行って欲しいのに、まさかの
隣に座られてしまい急いで靴紐を結んだ
非常でもない限り、
誰もこないとは思いつつも、
こんなとこ誰かに見られるのは怖い。
それに早く戻って佐藤さんと交代
しないといけない
『フッ‥‥お前ってやつは‥
頑張り過ぎて足痛めるなよ?』
えっ?
頭をクシャリと撫でた手が離れると
筒井さんは立ち上がり階段を下って
行ってしまった。
聞きたいことが沢山あるのに、
今は上司と部下という立場だから
何も聞けない‥‥
これが当たり前で、
今までがやっぱり夢のようで特別
過ぎたんだと思う
軽くストレッチをすると、
爪先で降りるよう意識しながら
階段をゆっくり駆け降りた。