玉響の花霞 あなたにもう一度恋を 弍
タクシーを拾い菖蒲を先に乗せると、
杉浦君がお辞儀をして一緒に乗り込んだ
「気をつけてね。」
外から手を振ると、ペコっと頭を
下げた杉浦君達を見送った。
「立田さん、私もご馳走になって
しまってすみません。
ありがとうございます。」
『いや、本当にいいんだよ。
楽しかったし。じゃあ俺たちも
帰ろうか。』
「はい」
タクシーで帰ろうかと思ったけど、
私も立田さんも足取りもしっかり
していたので、そのまま駅に向かい
電車に乗った。
『家まで送らせて。
誘ったからには道中何かあったら
いけないし、これは先輩としての
義務だからさ。』
「ふふ‥ありがとうございます。」
偶然にも同じ最寄駅だった為、
お言葉に甘えて送ってもらうことにした
「あっ!もしかして‥雪!?」
『ほんとだ‥‥どうりで冷えると
思った。寒くない?』
「はい、着込んでますから。
今年は早く降り始めましたね。」
真っ暗な空から降る雪を見上げると、
まるで桜の花びらが舞うように美しく
とても綺麗だ‥‥
年々温暖化と共に、降る雪の量も
減ってきてしまったけど、こうして
四季を感じられることは嬉しい
『クス‥‥井崎さんって案外
子供っぽかったんだね。
近寄り難い存在だったけど、
話したらそうでもなかった。』
「そうなんですよ。私全然まだ
子供なんですよ?よく泣きますし、
単純ですし。」
『ごめん、からかったんじゃないよ。
ただ可愛いって思っただけ。』
えっ?
マンションに続く坂道を2人で
ゆっくり登って到着すると、
わたしの頭についていた雪を
手で払ってくれた。
『今日は楽しかった‥‥。
また一緒に行かないか?』
「はい、じゃあ菖蒲たちも‥」
ドクン
立田さんがそっと私の両手を握ると、
指先を少しだけ力を入れて触れてきた
『ごめん‥‥義務とか言ったけど、
本当はもう少し井崎さんと
話したかったんだ。
好きな人がいることは知ってるし、
邪魔するつもりもないけど、
俺とのこと少しだけでも考えて
もらえると嬉しい。』
少し屈んで私の顔を覗き込まれると、
突然のことに顔が赤くなってしまう
立田さんが‥わたしを?
『寒いのに引き止めてごめん。
それじゃあまた‥おやすみ。』
「あっ‥‥お、おやすみなさい。
気をつけて帰ってください、
送っていただき
ありがとうございます。」
杉浦君がお辞儀をして一緒に乗り込んだ
「気をつけてね。」
外から手を振ると、ペコっと頭を
下げた杉浦君達を見送った。
「立田さん、私もご馳走になって
しまってすみません。
ありがとうございます。」
『いや、本当にいいんだよ。
楽しかったし。じゃあ俺たちも
帰ろうか。』
「はい」
タクシーで帰ろうかと思ったけど、
私も立田さんも足取りもしっかり
していたので、そのまま駅に向かい
電車に乗った。
『家まで送らせて。
誘ったからには道中何かあったら
いけないし、これは先輩としての
義務だからさ。』
「ふふ‥ありがとうございます。」
偶然にも同じ最寄駅だった為、
お言葉に甘えて送ってもらうことにした
「あっ!もしかして‥雪!?」
『ほんとだ‥‥どうりで冷えると
思った。寒くない?』
「はい、着込んでますから。
今年は早く降り始めましたね。」
真っ暗な空から降る雪を見上げると、
まるで桜の花びらが舞うように美しく
とても綺麗だ‥‥
年々温暖化と共に、降る雪の量も
減ってきてしまったけど、こうして
四季を感じられることは嬉しい
『クス‥‥井崎さんって案外
子供っぽかったんだね。
近寄り難い存在だったけど、
話したらそうでもなかった。』
「そうなんですよ。私全然まだ
子供なんですよ?よく泣きますし、
単純ですし。」
『ごめん、からかったんじゃないよ。
ただ可愛いって思っただけ。』
えっ?
マンションに続く坂道を2人で
ゆっくり登って到着すると、
わたしの頭についていた雪を
手で払ってくれた。
『今日は楽しかった‥‥。
また一緒に行かないか?』
「はい、じゃあ菖蒲たちも‥」
ドクン
立田さんがそっと私の両手を握ると、
指先を少しだけ力を入れて触れてきた
『ごめん‥‥義務とか言ったけど、
本当はもう少し井崎さんと
話したかったんだ。
好きな人がいることは知ってるし、
邪魔するつもりもないけど、
俺とのこと少しだけでも考えて
もらえると嬉しい。』
少し屈んで私の顔を覗き込まれると、
突然のことに顔が赤くなってしまう
立田さんが‥わたしを?
『寒いのに引き止めてごめん。
それじゃあまた‥おやすみ。』
「あっ‥‥お、おやすみなさい。
気をつけて帰ってください、
送っていただき
ありがとうございます。」