玉響の花霞 あなたにもう一度恋を 弍
び、ビックリした‥‥‥
それに心臓がドクドクと煩い‥‥
穏やかで優しい雰囲気を纏う
立田さんを見送ると、その場で
暫く雪が降り積もる道路を眺めていた
筒井さんにしか動かないと思って
いた気持ちが初めて揺れたことにも
驚いている
わたしの事情を知った上で
真っ直ぐ想いを伝えてくれた人だけに、
胸が少し苦しくなった
流石に寒くなってきて家に入ろうと
エントランスに駆け込みエレベーターを
降りると、部屋の前にいた人に
足が止まった
『おかえり‥‥』
「筒井さん!?‥‥なんで‥‥」
一度も家に帰ってないのだろうか‥
スーツ姿にチェスターコートを
羽織ったままの筒井さんに震えて
足がなかなか動かない
それに‥顔色がすごく悪い‥‥
もしかして体調が良くないんじゃ‥
『お前が無事に酔わずに帰るか心配で
気付いたらここに来てた。』
「そ、そんな‥‥こんな寒い日に
待ってるなんて‥‥温かいお茶を
出しますから嫌かもしれませんが
入ってください。」
鞄からキーケースを震える手で
取り出し鍵を開けると、筒井さんの
腕を引っ張って家の中に入れた。
「すぐに部屋を温めますから。」
強引だってわかってるけど、
あのまま放っておけないよ‥‥
エアコンを付けた後、
すぐに電気ポットにお水を入れて
スイッチをつけた。
もう10時近いのにどうして‥‥
ホットカーペットもつけると
着たままだったコートを脱ぎ、
ソファに座る筒井さんに厚手の
ブランケットを肩からかけた。
『フッ‥‥。少し落ち着け。』
「落ち着けるわけないじゃないですか。
すごく青白い顔してるんですよ?」
確か‥‥棚の上にほうじ茶の
葉っぱがあったはず‥‥
手を伸ばし、棚の中にあるお茶の缶を
取ろうとしたら、後ろから伸びてきた
手にあっさりと取られた。
「筒井さん‥‥座ってて‥ツッ!
えっ?‥‥筒井さん‥‥離して‥」
後ろからわたしの体を包むように
抱き締められ、突然のことに
頭がついていけず筒井さんの腕を
離そうとした。
『すまない‥‥少しだけ‥』
重ねた手の下にある大好きな人の手が
冷たくて震えている。
耳元に届く声も弱々しくて
今にも消えてしまいそうで、
目元がジンっと熱くなる。
「‥‥ここは寒いですから。
向こうに行きましょう?」
離れない筒井さんを他所に、
大きめのマグカップにお茶を淹れると
筒井さんの手を引いてリビングに
行きソファに座らせた。
「熱いので火傷しないように
気をつけて飲んでください‥‥」
それに心臓がドクドクと煩い‥‥
穏やかで優しい雰囲気を纏う
立田さんを見送ると、その場で
暫く雪が降り積もる道路を眺めていた
筒井さんにしか動かないと思って
いた気持ちが初めて揺れたことにも
驚いている
わたしの事情を知った上で
真っ直ぐ想いを伝えてくれた人だけに、
胸が少し苦しくなった
流石に寒くなってきて家に入ろうと
エントランスに駆け込みエレベーターを
降りると、部屋の前にいた人に
足が止まった
『おかえり‥‥』
「筒井さん!?‥‥なんで‥‥」
一度も家に帰ってないのだろうか‥
スーツ姿にチェスターコートを
羽織ったままの筒井さんに震えて
足がなかなか動かない
それに‥顔色がすごく悪い‥‥
もしかして体調が良くないんじゃ‥
『お前が無事に酔わずに帰るか心配で
気付いたらここに来てた。』
「そ、そんな‥‥こんな寒い日に
待ってるなんて‥‥温かいお茶を
出しますから嫌かもしれませんが
入ってください。」
鞄からキーケースを震える手で
取り出し鍵を開けると、筒井さんの
腕を引っ張って家の中に入れた。
「すぐに部屋を温めますから。」
強引だってわかってるけど、
あのまま放っておけないよ‥‥
エアコンを付けた後、
すぐに電気ポットにお水を入れて
スイッチをつけた。
もう10時近いのにどうして‥‥
ホットカーペットもつけると
着たままだったコートを脱ぎ、
ソファに座る筒井さんに厚手の
ブランケットを肩からかけた。
『フッ‥‥。少し落ち着け。』
「落ち着けるわけないじゃないですか。
すごく青白い顔してるんですよ?」
確か‥‥棚の上にほうじ茶の
葉っぱがあったはず‥‥
手を伸ばし、棚の中にあるお茶の缶を
取ろうとしたら、後ろから伸びてきた
手にあっさりと取られた。
「筒井さん‥‥座ってて‥ツッ!
えっ?‥‥筒井さん‥‥離して‥」
後ろからわたしの体を包むように
抱き締められ、突然のことに
頭がついていけず筒井さんの腕を
離そうとした。
『すまない‥‥少しだけ‥』
重ねた手の下にある大好きな人の手が
冷たくて震えている。
耳元に届く声も弱々しくて
今にも消えてしまいそうで、
目元がジンっと熱くなる。
「‥‥ここは寒いですから。
向こうに行きましょう?」
離れない筒井さんを他所に、
大きめのマグカップにお茶を淹れると
筒井さんの手を引いてリビングに
行きソファに座らせた。
「熱いので火傷しないように
気をつけて飲んでください‥‥」