玉響の花霞       あなたにもう一度恋を 弍
強く抱き締められたまま腕の中で私は、
きっと林檎より真っ赤になっていたと
思う


瞳が涙で溢れ、筒井さんの浴衣を湿らせ
ていく中、私はそっと背中に腕を回すと
小さな声で返事をした



私を仰向けにベッドに横たわらせると、
筒井さんの綺麗な指が私の涙を丁寧に
拭うと目尻に唇を落とされ、鼻先に
触れると、真上から見下ろした愛しい
人が小さく笑ってから唇にそっと触れた



『何度も想ったお前がここに今
 いるなんてな‥‥』


筒井さん‥‥筒井さん‥‥


私も手を伸ばしてそっと頬に手を触れる


「私も‥‥こんなに会いたかった人が
 目の前にいるなんて‥‥」



私の掌の方に顔を傾けると、そこへ
キスを落としたあと、唇をそっと
塞がれ、角度を変えて何度も何度も
される深いキスに溺れていく


上顎や歯列をなぞるようにされる
その行為に、体が震えるほど痺れ、
苦しさに息も上がってしまう


浴衣の隙間から入り込む手が
胸を鷲掴みにすると、甘い吐息と声に
体が捩れ乱れていく


「ンッ‥‥筒井さ‥‥アッ‥ンッ!」


耳から滑り降りた唇が首筋と
鎖骨を這うと開けられた胸の先に届き、
咥えられると自分の声を抑えられず
手の甲で口元を押さえた


『こら‥‥全部聞かせろ。
 素直なお前をちゃんと見たい‥‥』


「えっ?‥‥んんっ!!」


私の両手を筒井さんの片手が頭上に捉え
ると、胸をまた咥えて甘い痺れと疼きに
翻弄されてゆく


まるで、一つひとつを味わうかのように
ゆっくりと丁寧に触れていく行為に
恥ずかしくて涙が一筋流れた


するとそれを見逃さないように
また深いキスを落とされ、唾液が絡む
音に体の力がどんどん抜けてしまう


「ンッ!!‥あっ!」


敏感な部分に触れながらもキスを
辞めては貰えず、バタバタと暴れると
唇を離した筒井さんが真上からまた
私を見下ろし笑った。


『フッ‥‥。お前暴れるのはいいけど、
 どんどんはだけてエロくなってるの
 知らないだろ?』


えっ?


「ヤッ‥‥筒井さん‥待って‥」


『待たない‥‥もっと素直になれ。』


「嘘‥‥ンンッ!!」


足を大きく広げられると、
熱い舌先が敏感な部分を責め、
暫くの間指と唇に甘い刺激を与えられると、もう起き上がれないほどに息が
上がり体が火照っていた


浴衣を脱ぐ筒井さんを朧げに下から
眺めていると、私の浴衣も取られ
素肌と素肌が触れた後、筒井さんを
受け入れまた瞳から涙が溢れた


気持ちよさと嬉しさ‥‥
あとは愛しい気持ちがブワッと増し、
体が大きく震える中、優しい律動に
思い切りしがみつく


余裕なんてないほどに上がる息と
筒井さんを感じながら抱かれると、
暫く繋がり抱き合ったまま
筒井さんの吐息や鼓動を感じていた。



『‥‥このまま持ち上げるぞ。』

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