玉響の花霞       あなたにもう一度恋を 弍
筒井さんから2人には
フランスでしか買えないワインや
チーズなどお酒関係がやっぱり
多かった。


『おっ、これ美味そうじゃん!』


「筒井さんと選びました。」


私と筒井さんからはワインによく合う
ナッツヴェセルというチョコレートの
お菓子を2人に。


蓮見さんも亮さんもワインをよく
飲まれているので喜んで貰えて
一安心した。



あの旅行のお礼がこれでいいのか
正直分からないけど、筒井さんは
気持ちでじゅうぶんと言ってくれたのだ


『井崎さんありがとう。
 じゃあ最後は俺たちから滉一には
 ワインで井崎さんにはマヌカハニー』


「うわっ!いいんですか?
 すごく嬉しいです。ありがとう
 ございます。」


『悪いな、サンキュ』


殆ど食べ物ばかりだけど、
机の上にワインのボトルが8本と
お摘みになるものがあるということは
今夜は飲み明かすということらしい


久しぶりに3人で
楽しく話せると思うから筒井さんも
きっと嬉しいんじゃないかな。


私もお摘み沢山作ってあげよう‥‥


『少し出掛けてくるけどいいか?』


「はい、構いません。
 楽しんできてくださいね。」


3人でどうやら出かけることに
なったらしく、私はその間に
晩御飯の仕込みや掃除などもして
おきたかったし、筒井さんに楽しんで
欲しかったから笑顔で見送った


明日が終わると帰国されてしまう
けれど、私はもう沢山一緒の
時間を過ごさせてもらえてたから
邪魔だけはしたくない



『じゃあ行ってくる。少し寝てても
 いいぞ?どうせ帰ってきたらまた
 煩いから。15時くらいには戻る。』



私の頭を優しく撫でてくれると、
筒井さんは軽く唇にキスを落としてから
出かけて行った。


‥‥2人が先に外に出ていて良かった。


自然にああいったことをしてくるけど
不意打ちはビックリして感情が
コントロール出来ないから真っ赤に
なってしまうから


パタパタと顔の熱を下げながら手を
仰ぎ、乾燥が終わった洗濯物を畳み
掃除機をかけたりお風呂を洗ったりと
やれることをすると、風邪が気持ちよくてそのままリビングでいつの間にか
眠ってしまった。






『‥‥風邪引くぞ?』


遠くで聞こえた声にハッとして
ゆっくり目を開けると、視界に
筒井さんがうつり勢いよく体を起こした



「すみません‥‥気持ち良くて
 寝てしまって‥‥」
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