天使♡と悪魔★はお嬢様を溺愛する
体を自分で洗うと抵抗したものの、龍崎は全くゆずらない。
当たり前のように、テキパキとボディソープをスポンジに含ませて、私の背中から洗い始めたのだ。
さらに、振り向けと言う龍崎の申し出を断り、体の前側は頑なに抵抗した。
なんとか体の前側は隠しながら自分で洗うことが出来た。
しかし、龍崎は少し不服そうである。
私はこの状況が、顔から火を噴き出しそうに恥ずかしくて死にそうだ。
しかし、マイペースの龍崎はこの後、私の心臓を止めるような行動をするのだ。
なんとシャワーを浴び終えた私の背中に、チュッと音を立ててキスしたのだ。
「お嬢様、お肌もとても美しいですね。」
何が起こっているのか、失神しそうである。
「ひゃあっ!!」
また変な声が出てしまった。
そんな私の姿を見て、龍崎はまたも不思議そうな表情をするのだった。
この男はどういう神経をしているのか疑うくらいだ。
しかし、試練はまだ終わってはいなかった!!
シャワー室から出ると、今度は早乙女が満面の笑みを浮かべてタオルを広げているではないか。
「さぁ、恵美様、こちらへお越しください。」
「キャ-------------------ア--------!!」
「恵美様、体を拭かないとお風邪を引きますよ…髪もドライヤーで乾かしますからね。」
乳幼児の赤ちゃんなら、全裸で出て来てタオルでくるんでもらうのはわかるが、この歳になって、全裸でタオルに飛び込めなんてできるはずもない。
この人達は何を考えているのだろうか。
しかも、この二人は最初に会った時にも思ったが、この世の者と思えないくらいの美しい男性だ。
こんなイケメンに全裸を見られるなんて、死ぬほど恥ずかしい状況だ。