天使♡と悪魔★はお嬢様を溺愛する
朝、学校へ行こうとした時、お母さんが急いで玄関に追いかけて来るではないか。
お母さんが慌てて走るのは初めて見た。
よほど急用なのだろうか。
「お母さん、どうされました?」
すると、お母さんはニコリと笑顔を見せた。
そして、両手で私の手を掴んだのだ。
「急だけど、今日の夜にお父さんが日本に帰ってくるそうよ。恵美に会えるのを楽しみにしているみたい。それを恵美さんに早く伝えたくて…学校行く直前にごめんなさいね。」
お父さんが日本に戻ってくる。
私の本当の父親に会えるということになるのだ。
嬉しいが、少し不安のような複雑な気持ちだ。
私は父を見て何を感じるのだろう。
(…お父さんはどんな人なのかな…)