もう一度、恋を灯して、消さないで
もしかしたら流星も、まだ私のこと…とか、そんなありえないことを想像してしまうから。



期待させないでほしいのに、この状況が嬉しいと思ってる自分がいることも事実で。



「…君には悪いけど、早葵は借りてくね。まぁ、返すつもりもないんだけど」



「っ…」



飛び跳ねたくなるくらい、嬉しいの。



「早葵、行こ」



一人で舞い上がっていると、すでに手が繋がれていた。



「えっ…?行くってどこに…」



っていうか、御坂と先に約束してたのにこれはダメでしょ…!!



いくら好きな人から言われたって、御坂も大事な友達だ。



せっかく家に誘ってくれたのに、このままホイホイ流星に着いていくなんてできない。



「待って流星!ストップ…!」



「うん?」



私の意志とは反対に動く足を一旦止めて、御坂の方に振り返る。



「御坂──」



「いいよ、俺のことは気にしないで」



声をかけようと思ったら、御坂のそんな言葉が覆いかぶさった。



「行ってきなよ、清水。じゃないと絶対に後悔して、また酷い顔になっちゃうよ?今度はメイクじゃ隠しきれないくらいパンパに腫れるかもね」



「なっ…!」



今それ言う必要あった…?!
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