もう一度、恋を灯して、消さないで

またしばらくここで過ごすことになると聞いたところで、疑問に思ったことを聞いてみることにした。



「そういえば、なんで昨日はあの祭りに…というか、あっちに戻ってたの?」



「あぁ、それは…」



どうせ、「ただの気まぐれ」だとか言うつもりなんだろうな…なんて、思っていた矢先のこと。



「早葵に会えたらいいな…って、半分期待して三日間戻ることにしたんだ」



そんな返事が返ってきて、胸が跳ねる。



優しく微笑む流星の瞳が、ゆらりと揺れて。



「そしたら本当に会えちゃったから、びっくり通り越して逆に冷静になっちゃったみたい。早葵と会えて、夜寝れなくなるくらい嬉しかったのにね」



「っ…!!」




その言葉のかけら一つ一つが、矢となって胸に突き刺さる。



…だめだ、私。



また地元に帰ったら、また流星と会えなくなるってこと。



このまま何も告げずに帰るなんて、そんなの耐えられない。



寂しくなるし、余計に会いたくなるってわかってる。



…でも、それでもいい。



───もう、後悔だけはしたくないの。




「…流星、あのさ。私───」



勇気を振り絞って、流星に伝えようとしたら。
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