もう一度、恋を灯して、消さないで

「あっ」



普通なら聞きこぼしてしまいそうな声。



雑踏の中で、それを聞き取ってしまったならば。



「えっ?」



それはもう、振り返るしかないわけで。



「っ…」



相手の姿を確認し、絶句した。



あぁ…今日は厄日なのかもしれない。



だって、そうでもなきゃ…。



「久しぶり」



別れの言葉も告げずに引っ越していった元彼と再会するとか、絶対にありえない。
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