きっと散りゆく恋だった
もし、リョウとの未来と、波玖との未来が目の前にあったとして。
どちらかを選択しなければならないとしたら。
リョウへと進む道は、波玖との道へと進むために用意されたものだったのかもしれない。リョウへの道を閉ざされてはじめて、私は本当の道を選べるのかもしれない。
「俺、やっぱり打ち上げ花火も好きかも」
「結局花火が好きなんでしょ」
「そーかも」
もし、そうだとするならば。
そんなことを思っていいのなら。
私が抱いていたリョウへの恋心は、いつか消えてしまう花火のようなもので。
はじめから決まっていたみたいに。
ーーきっと散りゆく恋だった。
了