この夏の楽しさは、きみが教えてくれたから
「なぁ。今日は、こっちはどう?」

ラムネを指差しながら、彼が聞いてきた。


『うん、いいね。これにする。』

私が手を伸ばそうとすると、

彼は先に2本ラムネをとって、お会計を済ませていく。

『待って、お金…。』

「いいよ、こんくらい。」

『え、ありがと。』

「ん。」


会計が終わった後、スタスタと歩く彼の後ろを付いて行った…

けれど、ベンチを通り過ぎて行ってしまいそうになり

思わず声をかけた。

『待って、どこ行くの?』

「海、まだ行ってないやろ。」

彼は海の方向を指差していて…

うん。と頷いて、また、彼の後ろを追いかけた。










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