この夏の楽しさは、きみが教えてくれたから
「あのさ、携帯番号教えてくれる?」

『え、いいけど。』

急な蓮くんのお願いに驚きながら答える。

「ちょっと待ってて。」

そう言うと、蓮くんは駄菓子屋に入って行って…

ボールペンを借りて戻ってきた。

写真の裏に、私の番号を書いていく…

「俺、バイトして携帯買うわ。」

『え?』

急な彼からの提案に更に驚いた。

最初会った時、必要ない。って言ってたから。


「1年なんて、あっという間だから、来年もまた来いよ。」

『そうだね。携帯買ったら教えて、いっぱい連絡するから。』

離れるのが一瞬寂しいと思ったけど、

それだけじゃなくて…

笑顔で彼に手を振れた。


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