君のカラダに触れたい
「うん!あのね、成仏するには未練を無くさなきゃいけないでしょ?だから、」


今までニコニコ話していた黒百合さんが、笑顔を薄くして、目を細め、何かを睨むような顔をした。


「復讐を手伝って欲しいんだ。」


声のトーンがワントーン低い。

でも、怖いというより、美しいと思ってしまう。



「復讐って、何をされたから何をするんですか」


「あっ!言ってなかったね!あのね、『百鬼一家殺人事件』て、知ってる?」


知らない人などいない。

だって、そんな物騒なことは普段起きないこの地域に、唯一起きた大大大事件だからだ。



「知らないわけないですよ。……て、あれ?黒百合さんの苗字、確か」


「百鬼だよ。百鬼黒百合。2度目の自己紹介だね!あはは。」




ゾワッ………とした。


あの事件は確か、



相当残酷だった記憶がある。

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