一生分の、恋をした
その日、挿管によりひとまず一命は取り留めたものの、肺炎により、依然として危険な状態が続いていた。
このまま、ということも十分に考えられる状況だった。
それでも綾人は決して諦めなかった。
日中の勤務の後にも、病院に泊まり込みながら懸命の治療を続けた。
詩が危篤状態となってから5日後。
治療の甲斐もあり、併発していた肺炎も治り、呼吸状態が安定した。
ひとまず命の危機が去ったことに安堵する、綾人らスタッフたち。
しかし、詩の意識は戻らず、引き続き眠ったままだった。
呼吸も戻り、酸素マスクをつけながら穏やかな顔で眠り続ける詩。
また少し痩せてしまった顔。
今日も夜中に詩の様子を見に来た綾人が、悲しげな表情で詩の頭を撫でる。
「…詩、起きろ。酸素マスク、嫌いだろ。また、わがまま言っていいから…」
何も答えず、静かにベッドに体を預けている詩だった。
このまま、ということも十分に考えられる状況だった。
それでも綾人は決して諦めなかった。
日中の勤務の後にも、病院に泊まり込みながら懸命の治療を続けた。
詩が危篤状態となってから5日後。
治療の甲斐もあり、併発していた肺炎も治り、呼吸状態が安定した。
ひとまず命の危機が去ったことに安堵する、綾人らスタッフたち。
しかし、詩の意識は戻らず、引き続き眠ったままだった。
呼吸も戻り、酸素マスクをつけながら穏やかな顔で眠り続ける詩。
また少し痩せてしまった顔。
今日も夜中に詩の様子を見に来た綾人が、悲しげな表情で詩の頭を撫でる。
「…詩、起きろ。酸素マスク、嫌いだろ。また、わがまま言っていいから…」
何も答えず、静かにベッドに体を預けている詩だった。