一生分の、恋をした
約2ヶ月ぶりの登校の日。


高校は、綾人と暮らす家から徒歩15分ほどしか離れていない。

しかし、なぜか車で送ると言って聞かない綾人と、歩いて1人で行けるという詩が朝から揉めていた。


「だから、歩いていけるってば。ただでさえ久しぶりの登校で恥ずかしいのに、医者がついてきたら、みんな変な目で見るでしょ」


「主治医が横にいて何が悪い。それに、担任の先生や養護教諭にも医療的な説明をしておいた方がいい。お前は重病なんだぞ。色々と共有しておく必要がある」


「それは…そうかもしれないけど…」


「決まりだ。行くぞ」



車で登校する詩。

保健室で、綾人が担任と養護教諭に現在の詩の病状の説明がなされた。



「何もないのが1番ですが、もし何かあれば病院の立花宛に直接電話を下さい」


詩は綾人に管理されていることを恥ずかしく思いながらも、自分の高校生活を支えようとしてくれていることは嬉しかった。








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