一生分の、恋をした
救急車のサイレンの音が近づいてくる。


「大崎くん、立石さん、救急車が来たから、あなたたちは一旦帰宅してて。私は救急車に同乗するから。」


「でも…!詩…!」


「…わかりました。おい由羅行くぞ」


詩から離れられない由羅の腕を颯太が引っ張り、保健室から出て行った。




ガラガラと運び込まれたストレッチャーに乗せられた詩に、救急隊が声をかける。


「わかりますかー!!…意識なし。呼吸は…弱いけどあるな」


「かかりつけは七岡総合病院ですね。連絡してありますので、すぐ搬送しましょう。」




救急車に運び込まれる詩を、由羅たちが心配そうに見守っていた。


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