愛に落ちて、恋をした。
だが、掛けたレモンシロップのせいで、半分以上溶けてしまった。

「無くなっちゃった」

彼女は、ショックを受けていた。

喜ぶんじゃ無くて、ショックを受けていた。

「面白すぎるだろ、お前」

喜ぶと思って、色が変わるかき氷にしたのに、明らかにショック受けてるのが面白すぎた。

「お前って名前じゃ無い、川田玲奈、私の名前忘れたの?」

「じゃあ、玲奈」

俺は下の名前で彼女を呼んだ。

「下の名前で呼んでいいなんて言ってない」

「今日はデートだから、下の名前で呼ぶのが決まりな、今俺が決めた。だから玲奈も下の名前で呼んで。あ、名前覚えてない?」

「海斗、覚えてる」

覚えてることが、意外だったが、少し嬉しかった。

「ん、よし。えらい」

「みんなこんなことやってんの?」

彼女はかき氷を食べ終えて、そう言い放った。

「こんなこととは?デートだから普通だろ?」

「普通、か…普通のことしてみたいって言った私がバカみたい。あー、バカになるってこういうことか」

「何、変に納得してんだよ」

そう言い争っていると、雨が降ってきた。

「え、嘘!?雨降らないから今日にしたのに、花火は?中止?」

「いいから走るぞ」



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