愛に落ちて、恋をした。
最初に集合した神社まで戻って来て、雨宿りさせてもらう事にした。

「最近の天気予報分かんないね…」

彼女はかなりショックを受けていた。

俺たちが神社でしゃがんで雨宿りしていると、アナウンスが入った。

“今日の花火大会は、延期とさせて頂きます繰り返します――”

「中止だってよ、残念。また明日だな」

「明日は習い事があるの、だめ。延期だからまだ今日やるかも」

「じゃあ残念、雨が上がればな」

せっかくセットした髪はベチャベチャに濡れていた。

神社の椅子に2人で座りながら、髪を整えた。

「私、髪下ろしてる海斗くんの方が良いかも。誰かに取られそう」

「え?かっこいいってこと?やっぱり?」

「そのやっぱりとかはいらない。忘れていいよ」

「忘れない」

そう言って、彼女にキスをした。

「何、今の」

「カップルがしてる普通のこと」

「もっかいしてみて、分かんなかった」



意外と彼女は、頬を赤く染めていて、それでいて分かんないフリをしながらも積極的だった。

「ん」

彼女は俺の手の上に手を重ねてきて、求めてるのがわかった。

頬を赤く染めている彼女は、全く話さないオーラを放つ学校の姿とは、違った。

ごく普通の女の子だった。

「…んっ…」

大雨になっても彼女は、俺に夢中でいた。

声を漏らす彼女は、とても可愛かった。

キスし終えると、物足りなかったらしく彼女は、俺の制服のネクタイを掴んで自分の方に引き寄せると、また俺たちは唇を重ねた。

先程までのソフトなキスではなく、長くとろけるようなディープキスを。


普通を知らない彼女は、愛に落ちて、恋をした。
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