愛に落ちて、恋をした。
「まず何やりたい?りんご飴?金魚すくい?わたあめ?景品狙って打つのとかあるけど」

「そんないっぱい言われても困る、そこの金魚すくいやってみたい」

「よし行こ」

俺たちは、金魚すくいをすることにした。

彼女は、金魚すくいの網を持って、初めての金魚すくいをする。

その瞬間を見届ける俺は、横で、アドバイスもせずに見守る。

「あぁ〜、なんで取れないの!なんで逃げちゃうの!?」

彼女は、悔しそうにやぶれた網を持って、「おじさん、もうひとつ下さい」と、そう言っていた。

なんだ、楽しそうじゃん。

何回やっても取れない彼女は、最後の1回と決めたその1回も、破れていた。

「おじさん、もうひとつだけ下さい」

俺は、財布から400円を出す。

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