聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
わかりやすいほど安堵するルーカスを見て、笑いを噛み殺した。
(王子様も大変なのね)
「まずは服屋からでいいだろうか?」
「はい。園芸部で活動するときに着る作業着がほしいんです」
マルティーナは正式に園芸部に入ることにしたのだ。
「それとお揃いの部屋着も買おうね」
パウラが目配せすると、マルティーナは大きく頷いた。
「楽しそうでいいなー。なあ、ルーカス。俺らも部屋着お揃いにする?」
「絶対に嫌だ」
「えー。なら、俺もパウラたちの仲間に入れてよ」
「何でそうなるんだ!?」
(こうしていると、ルーカス様もごく普通の男の子だわ)
マルティーナにとってそれは発見であり、新鮮に映った。