聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
アンダルイドが200年前に聖女をもらい受けるために支払った額をざっくり現在の価値に換算すると、マルティーナを留学させるのに支払った額はそれの20分の1だ。
どちらもアンダルイドが申し出たのではなく、ルーボンヌから寄付金として納めるように要求された額である。
その数字の差は、そのままルーボンヌにおける聖女と非聖女の価値の差と考えていいだろう。
聖女の20分の1の額であれば、マルティーナはすでにそれ以上の貢献をしている。
アンダルイド人では神聖魔法が使えないという結論に至ったとしても、神聖魔法の研究で得られた知見を、自然魔法に応用し発展させる方向の研究も立ち上げる予定だそうだ。
(心配するようなことは何ひとつないのに)
しかし、それは王族の一員という立場だから学院長から聞けてしまった内容であり、ルーカスからマルティーナに伝えるわけにはいかない。