聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「前期試験までは、研究はお休みになるでしょうか? 私、試験勉強をがんばりたくて……」
ドキドキしていたルーカスは脱力してしまった。
「そうだね、そうしようか」
「ああ、よかった。私、本当にがんばらないといけないので」
ルーカスは、おや? と思った。
「ウーゴから、君は『すごく優秀』だと聞いているが?」
「ええっ? 嘘ですよ。そんなはずがありません」
(おかしいな。ウーゴがそんな嘘を吐く理由がない)
ルーカスは首を捻った。
「なら、ルーカス君に勉強を教えてもらったらどうだい? ルーカス君は、試験前に必死に勉強する必要はないだろう?」
マルティーナが遠慮がちな視線を送ってきた。
(これはいいところを見せるチャンスか!?)
「こ、コホンッ。よかったら、試験が終わるまで放課後は一緒に勉強しようか?」
「お願いします!」
王子として恥ずかしくない学業を修めるべく、日頃から予習復習を欠かしたことはない。
そのことを今日は誇らしく思った。