聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「だ、大丈夫! 成績は筆記が4割、実技が6割のはずだから」
「それは本当ですか?」
マルティーナが顔を綻ばせた。
「結局は実技のほうが大事だからな。それと、アンダルイドでは主要な単魔法の呪文は初等教育で履修しているんだが、たいてい語呂合わせで覚えるんだ。それは教科書なんかには載っていなくて、授業中に教師から口頭で教えられて、」
マルティーナの笑顔が急速に冷えていき、ルーカスはますます慌てた。
「僕がそれらを全部メモしたノートならある! ……王宮にだけれど。単魔法さえ覚えれば、複合魔法の呪文もパターンが決まっているから、それほど難しくない。大丈夫、大丈夫だから!」
ルーカスは複合魔法の呪文のパターンを、模式図を描いて説明した。
マルティーナは、頷きながらそれからを真剣に聞いた。