聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

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 マルティーナは鏡の前で、いつもより念入りに櫛で髪をとかしていた。
 休日だというのに、制服を着ている。

(失礼はないかしら……)

 これからブランカ宮殿へ行くのだ。
 ルーカスからは『13時に正門で』と言われている。
 買い物のとき同様に、馬車が来てくれるという。

(馬車の中では何を話したら……)

 ベルナル先生と学院長は、自宅から直接宮殿に向かうそうだ。
 それはつまり、馬車という広くはない空間でルーカスとふたりきりになるということ。
 パウラもウーゴもいてくれたときとは違う。
 あのときは全員でかパウラとだけ話していればよかった。

 マルティーナは自分が緊張していることを自覚していた。

(学院の外でふたりだけになるっていうのが、余計に緊張してしまうのよね……)
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