聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「私はこの国で、魔法を役立てる道に進みたいと思っています」
「何か具体的に希望する職種はあるのか?」
「……いいえ。アンダルイドで女性魔法使いがどのような職につけるのかもまだ知らないので……」
「何でもいいというのであれば、真っ先に学院長とベルナル先生が研究助手として学院に残ってほしがりそうだな」
(それは研究対象とされ続けるということ……?)
ルーボンヌから出る手段としてはよろこんで受け入れた条件だったものの、それが半永久的に続くのはご免こうむりたい気がした。
むろん、ほかに就職先がないのであれば受け入れるが。
(研究対象が私だとしても、私自身も研究する側に加われるならいいのだけれど……)
マルティーナは考えこんで黙ってしまった。