聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

24

 医師に来てはもらったものの、マルティーナは昏睡するばかりだった。

「頭をうったとかではない……それにこの光は……えっ、神聖魔法ですか? 自然魔法を受けてならまだしも、神聖魔法となると……」

 本人から症状を訊くこともできない。
 脈を測ったり瞳孔を調べたり程度のことしか、医師にはできることがなかった。

「微熱があるようですから、目が覚めるまでこのまま安静に寝かせて様子を見てください」

 日が傾き始めると、そう言って帰ってしまった。

「僕は王族の一員としての責任がありますから、ここに残ります。学院長とベルナル先生は……」
「泊まらせてもらうことは可能ですか?」
「私もお願いします」

 食事と入浴を交代で済ませたほかは、3人ともマルティーナのそばについていた。
 マルティーナは依然として神聖魔法による光に包まれていたが、その光は絶えず揺らいでいた。

 その光がわずかに大きくなったとき、マルティーナは一瞬顔を歪めた。

「体内で神聖魔法が暴れているのでしょうか?」

 ベルナル先生が心配そうに言う。

「どうでしょう。マルティーナさんを攻撃するような類いの魔法には見えませんが……」

 学院長がマルティーナをじっと観察しながら、独り言のように呟く。

「マルティーナさんと神聖魔法が互いに馴染もうとしているような……?」
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