聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

25

 放課後の研究室に、神聖魔法の研究メンバー4人は集まっていた。
 ベルナル先生が手元のメモを見ながら報告する。

「先週風邪が蔓延していた2年生ですが、マルティーナ君が教室棟に浄化魔法をかけて以降は、新たに風邪をひくものは出ていません。感染者のほうでも、3割が『すでに全快した』と答え、5割が『急速に症状が軽くなった』と答えています」

 聞き終えた学院長は、興味深そうに頷いた。

「浄化魔法の効果がはっきりと現れていますね。祝福魔法のほうはどうですか?」
「中庭の花壇のうち半分だけにかけてもらいましたが、かけていないほうとの差は明らかです。花の数は1割増し、花弁の大きさも平均して3割ほど大きいです。数値化はできませんが、見た目のほうもより色鮮やかな印象を受けます」
< 164 / 220 >

この作品をシェア

pagetop